わたし宣言

私は、「次の時代を生きる女性に、自然体で生きる自由を届ける」をミッションに、ウェルビーイングという視点から、ジェンダーバイアスにアプローチしています。今は、I _ for MEというブランドを立ち上げ、“おかえり”ショーツというショーツの締め付けから解放される部屋着を通して、そのメッセージを届けています。

１年前、私はクラウドファンディングが成功し、東京都のビジコンでファイナリストの舞台に立っていました。一方で私は、なぜ”おかえり”ショーツが評価されているのか、なんで自分がおかえりショーツに惚れているのかすらも、わかんなかったんです。そこで、自分と対話してこのギャップを埋めるため、休学してMAKERSに入りました。

MAKERSは自分との対話に本当にぴったりの場所でした。自分と対話し、変化し続けることを、誰もが見守り合っているような空間だったからです。特に荻原ゼミは、事業の成長というより、人としての成長や自分の心と向き合うことを喜び合う風土がある素敵な場でした。

そんなMAKERSで、私が”おかえり”ショーツをやりたい理由に気づくきっかけになった衝撃的な言葉があります。

「Ellenちゃんは、自分を裏切るのが得意だよね？」

The Mental Modelの著者、由佐さんの言葉です。図星でした。私は、生まれてこの方、周囲に「頑張ったね」と言われるために、「いいこ」であろうと真面目に努力してきました。自分の感情を押し殺して、周囲求められていることに応えるのが得意でした。

でももう、苦しい。周囲から求められる「らしさ」の呪縛から解放されたい。

そんな想いを表現したものこそ、“おかえり”ショーツでした。

2人に１人。これは、ショーツによるデリケートゾーンの蒸れ・痒み・締め付け感で悩む女性の割合です。しかし、100人以上の女性にヒアリングをすると、女性自身が「ショーツは女性らしく可愛くあるべきだ」と思っているケースも少なくありませんでした。つまり、「ショーツを履きたくない」というニーズは、「女性らしさ」の呪縛から、声に出せなかっただけで確かに存在する悩みだったのです。

“おかえり”ショーツという、カラダもココロも解放する体験を通して、自然体の自分であれるひとときを届けたい。”おかえり”ショーツは、私の心の叫びの表現でした。そう気づけたことで、霧が晴れたような気持ちでした。

でも、私は自分を裏切ることをやめられませんでした。「起業家」として「頑張っていない」「努力していない」そう思われるのが怖かった。「起業家」として「評価」してもらうために使ったのがFemtechとかD2CとかZ世代起業家みたいな「ラベル」や「型」でした。いつの間にか「よくわからない誰か」のために、事業を語るようになり、その「ラベル」に縛り付けられるようになっていました。

そのことに気づかせてくれたのは、一緒にI _ for MEという世界観を創り上げてくれている仲間でした。

「私たちは、共感しているから一緒にやってるんです。」

Femtechだから、メディアで評価されてるから…とか、そんな薄っぺらいラベルじゃなくて、「何者でもない私の言葉に共感している人がいる。もう1人で戦わなくていい、この言葉にふっと心が軽くなりました。

私はもう自分を裏切り続けるほど、弱くはありません。

私の想いを純粋に「共感」して信じ続けてくれる仲間がそばにいるからです。

想いを込めたプロダクトを、信じて受け取ってくれるお客さんがいるからです。

不器用かもしれない。綺麗事かもしれない。でも、私は私の正しさに、もう嘘はつきません。私は、成功するために起業したのではありません。私は、嘘偽りないわたしの足跡を残すために、そしてその足跡から愛と共感の循環を生むために、一歩づつ、裸足で大地を踏みしめます。

2021.11.7 MAKERS UNIVERSITY Demo Day より